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タカシ君の1日 

ネタ |

「タカシ君、依頼が入ったよ。また果物屋へのお使いだが、やってくれるかい?」

白衣を来た男が僕に話しかけてきた。
僕は二つ返事で「了解しました」と答えた。

何もおかしな事は無い。
依頼があれば、どんな「問い」も作り上げる。息を吐くくらい簡単だ。

「しかし、ベテランの君にこんな簡単な仕事を頼んで申し訳ないね。等速動点Pも忘れ物をする兄もそれを追いかける弟も全員出払ってしまってね」

「構いませんよ。同じ仕事には変わりないですから」

そう言って、僕はタバコを吹かしたい欲を抑え、果物屋へ向かった。









「所長、タカシ君が予定現場から離れています・・・・・・これは・・・・・・」

「あぁ、君はまだ入ったばかりだったね。タカシ君はたまにやるんだ。まぁ見ていなさい」

「はぁ・・・・・・分かりました」








<問1>
タカシ君は、750円を持って果物屋へ行きました。
しかし別のスーパーでは2割引きのセールをやっていたので、
タカシ君はそのスーパーで110円のりんごを3個、70円のみかんを2個買いました。
さて、タカシ君の持っている残りのお金はいくらでしょう?
ただし、値段表記は2割引きされていないものとし、消費税は考えないものとする。







「おつかれ様だったね」

「すいません、勝手に店を変更してしまって」

「構わないよ、おかげで問いにさらに磨きがかかった。さすがといわざるを得ないよ」

「ありがとうございます。それでは僕はこれで」

そうして僕は報告を終え、オペレーションルームを後にした。
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23:55 |  trackback: 0 | comment: 0 | edit

ちょっと時代が異なる昔話 

ネタ |

ある雪の日、おじいさんが歩いていました。
おじいさんは笠屋で、商売を終えた帰り、家路についている所でした。
家ではおばあさんが夕餉を作って待っている事でしょう。

「今日はあまり売れなかったなぁ……」

しんしんと降る雪と同じくして、おじいさんも静かな足取りでした。
今日の売り上げが満足いくものではなかったようです。

巷では、骨が何本もある丈夫な笠、ビニールで出来た安価な笠、色モノになると兜のような形をしているものまであるそうな。

おじいさんとおばあさんが作る笠も竹製で丹精込めて作られており、評判はそこそこにいいのですが、やはり新しいものに目移りしてしまうのが人間と言うもの、昔ほど売れなくなっていました。





おじいさんが歩いていると、道に沿ってお地蔵さんが立っていました。
数は五、一様に頭の上に雪を乗せ、心なしか凍えていそうです。

「お地蔵さんも大変だ。ちょうどいい、この笠を供えるとしようかの」
おじいさんは、頭に積もった雪を払い、売れ残った笠をお地蔵さんに被せました。
しかし持っていた笠は四つ、一つ足りません。

「それでは、私の笠を」
そう言うと、おじいさんの頭を笠を最後のお地蔵さんに被せてあげました。
「これでお地蔵さんも寒くないじゃろう」

最後の笠をお地蔵さんに被せ、おじいさんは再び家路へとつきました。





「お疲れ様ですおじいさん。今日も冷えたでしょう。街ではどうでしたか」
家に帰ると、夕餉の支度をちょうど終えたおばあさんが出迎えてくれました。

「あまり喜べるもじゃないのぉ……ちょっと考える必要があるやもしれんな」
「まぁ、それはそれは。ひとまずご飯にしましょう・・・っておじいさん、貴方の笠はどうしたの」
おばあさんの言うとおり、おじいさんの頭は白髪と見紛うばかりに白くなっていました。
それもそのはず、道中のお地蔵さんの為に自分の笠を渡してきてしまっていたからです。

「道の途中のお地蔵さんが寒そうだったのでな、売れ残った笠を被せてきてしまってな。すまんのおばあさんや」

怒られると思ったおじいさんですが、おばあさんは優しい笑顔で
「まぁまぁそれはいいことをしましたね。きっと良い事がありますよ」
と言ってくれました。
「そうか・・・そうじゃな……いつもわしらを見守っているお地蔵さんに、お返しができたのかもしれん」
「ええ、そうですね。さぁさぁ、ご飯にしましょう。ビーフシチューが冷めてしまいますよおじいさん」

その日の夕餉は、身も心も暖かくなりました。





翌朝、といってもまだ日も昇らぬ時刻。おぼろげに明るくなってくる頃。
おじいさんとおばあさんは家の周りの雪片づけをしていました。

「おじいさん、今日は笠は売れますかねぇ」
「わしがしっかりと売ってくるからの。なに、わしらの笠を分かってくれる人はもっといるはずじゃ。まずはわしらが信じるんじゃよ」
「そうですねおじいさん」

昨日の結果は昨日の結果、今日は良い成果を期待して、おじいさんとおばあさんは意気揚々と雪を片付けてました。

ザーッ、ザーッ。

向こうから、何かを引きずる音が聞こえてきます。
ザーッ、ザーッ、ザーッ。

音は次第に大きくなっています。どうやら、こちらへ向かってきているようです。

耳をそばだてていたおばあさんですが、やがて何かに気づきました。
「おじいさんあれを見て下さい」

おばあさんが指を指した方向には、笠をかぶったお地蔵さんが、それも何かを引きずりながら近づいていました。

「おじいさん、あれは貴方が昨日笠を被せてやったお地蔵さんではないですか」
「た、確かにそうじゃ。あれはわしらの笠じゃ」

おじいさんもお地蔵さんの姿を確認しました。
おじいさんが昨日笠をあげたお地蔵さんは五体、こちらに向かってくるお地蔵さんも五体。間違いありません。

お地蔵さんは、おじいさんとおばあさんの前に止まりました。
そして、どこからか語りかけてきます。

『昨日は素敵な笠をありがとうございました。これはほんのお返しです』
そう言うと、お地蔵さんは引きずっていたものをおじいさんとおばあさんの前に差し出しました。

そこには、たくさんの野菜やお米、お酒などが積んでありました。

「これは・・まぁ」
おじいさんもおばあさんも呆気にとられ、開いた口が塞がりません。

『これからもまだまだ寒い日は続きます。お二人もお気をつけて』

そういうと、お地蔵さんは振り返り去っていきました。





「なんじゃったんだろうか、今のは。夢じゃなかろうか」
「いいえおじいさん、あれは確かにお地蔵さんです。昨日のお礼をして下さったのですよ」

落ち着きを取り戻した二人の前には、お地蔵さんが残していった大層な品々が残ったいました。

「いい事はするものですねおじいさん」
「そうじゃな。よし、これで今日も明日も頑張れるというもの。しっかりと働かねばな」
「頑張ってくださいね、おじいさん」

予想もしなかった嬉しい出来事に、二人も晴れやかな気持ちになりました。
降っていた雪も止み、日の光もいっそう眩くなっていました。





「ところでおじいさん」
「なんだいばあさん」

雪かたずけを終え、それぞれの仕事に取りかかろうとした時、おばあさんが問いかけました。

「一人のお地蔵さんだけ、笠が違ったわね」
「それは言ったじゃろう、一つ足りなかったもので、わしの笠をあげたんじゃ」
「それでは、なぜ半透明だったんでしょうか」

五体のうち四体は竹製の笠、そして残りの一体はビニールの笠を被っていました。
ビニールの笠は、街でしか売られていないものです。

「いや……これはその……その……何故か魅かれてしまっての……」

ついさっき、「まずワシらが自分たちの笠を信じてやるんじゃ」と言っていたのはおじいさんです。
もちろん、おばあさんもしっかりと覚えていました。

「おじいさん、今日は頑張って笠を売ってきてくださいね……」
おばあさんは、いつもと違う優しい笑顔をしていました。そして静かに家の中へと入っていったのです。

おじいさんはぼそっと呟きました。

「私も反省せねば……笠があったら雪は守れるが、おばあさんの雷からは守れないからのぉ」









『笠地蔵』完
01:21 |  trackback: 0 | comment: 0 | edit

言語概念が異なる昔話 

ネタ |

昔々ある所に、おばあさんとおじいさんが住んでいました。
おばあさんは川へ芝刈りに、おじいさんは山へ洗濯へ出かけました。

おじいさんが山で洗濯していると、山頂の方から大きな芝が流れてきました。
驚いたおじいさんはその芝を山からすくい、家に持って帰りました。

川での芝刈りを終えたおばあさんは、おじいさんが持ち帰った大きな芝を見てびっくり。
おじいさんは、この芝を割ってみようと言い、おばあさんは持っていた芝で大きな芝を割ってみました。

すると、中からは玉のような赤オニが出てきました。

子供がいなかったおばあさんとおじいさんは、赤オニを育て、赤オニは立派なオニへと成長しました。

「おばあさん、おじいさん。僕はこれから鬼ヶ島へ行って、鬼をこらしめて参ります」
「そうかい、ならば、これを持ってお行き。お腹がすいたら食べるんだよ」

そう言って、おばあさんは沢山の芝をオニへと渡しました。



オニが歩いていると、一頭の雉と一羽の犬と一人の猿に出会いました。

「君達、僕はこれから鬼ヶ島へ行って、鬼をこらしめに行くんだけど、良かったら仲間になってくれないか」

オニの協力要請に、雉と犬と猿は口々にこう言いました。
「「「「そのお腰につけた芝を一つ私にくれたら、仲間になってもいい」」」

オニは3匹に芝をあげ、買収に成功しました。



オニと仲間の雉犬猿は、鬼ヶ島に到着しました。

「やいやい、ここへ何しに来やがった!」
オニ雉犬猿の前に、金芝を持った鬼達が現れました。
「僕らは悪さをするお前達をこらしめにきたんだ!」

オニ達はなんとか鬼をこらしめ、鬼達は謝罪の言葉を言いました。
「すまんのぉ、ほんの出来心だったんだ。お詫びと言ってはなんだが、これを受け取ってくれ」
鬼達はオニへ、大きな桃を渡しました。


オニは無事に我が家に戻りました。
おばあさんとおじいさんは、オニが持ち帰った大きな桃を見てびっくり。

おばあさんは、この桃を割ってみようと言い、おじいさんは持っていた包丁で大きな桃を割ってみました。

すると、中からは玉のような果汁が出てきました。

小腹がすいていたおじいさんとおばあさんとオニは、割った桃を仲良く食べました。

「おじいさんや、そういえばこの子の名前を決めていなかったね」
「そうじゃな、この子の名前は桃太郎にしよう」
「素晴らしい名前です。ありがとう、おじいさん、おばあさん」

こうして、3人は仲良く暮らしましたとさ。











『桃太郎』完
22:47 |  trackback: 0 | comment: 0 | edit

確認事故 

ネタ |

横断歩道の赤信号が青に変わった時。
小さい頃は、「右見て左見て、そして右見て渡りましょう」なんて教わった人が多いのではないかと思います。
昔、どうせ来ないだろうとすぐに渡ろうとして事故に遭いそうになった事があります。

ここは大事をとって、更なる注意をしていきましょう。




右を見て左を見て、右を見る。
その時に、左から車が来るかもしれない。もしくは左フックが飛んでくるかもしれない。
なので、もう一度左を見ておきましょう。
今回は、左からはランニングをしているお兄さんだったのでセーフです。


次に上も見ておきましょう。
少し前から雨が降ってきていました。地面が滑るかもしれないので、大体の雨量を把握しておきます。
今回は、水はけのいい路面だったのでセーフです。


一応下も見ておきましょう。
コンクリからゾンビが手を出してくる可能性も無くは無いです。
今回は、誰かが落としたであろう黄色いハンカチがありました。幸せになれそうです。


忘れてはならないのが後方確認。
興奮したサバゲーマーが敵と間違えて銃を向けてくるかもしれません。
念の為、両手を挙げながら振り返りましょう。
今回は、ランニングをしているお兄さんが折り返して戻ってきたようなのでセーフです。


そのままもう一度下を確認しましょう。
興奮したモグラがコンクリを突き破ってくる事はまず無いですが念には念を。
今回は、風で少し飛んだのか先程の黄色いハンカチが落ちていました。なんなら拾っちゃいましょう。


後方は確認したので回れ右をしながら再び上を見ましょう。
どうやら小雨がやみ、晴れ間が見えてきたようです。
首を少し右に傾けると、虹も出ているようです。


ポケットには黄色いハンカチ。雨上がりの虹。ランニングのお兄さんとの出会い。
今日は何か良い事がありそうな、そんな予感がしてきませんか?
落ち込んで下ばかり見ていてはいけません。
いつまでも後ろ向きでは進めません。
しっかりと前を見て、歩こうではありませんか。




しかし、今は立ち止まることが必要です。
前を見ると、信号が再び赤になってしまっていました。













早く渡れよ!!











こういうのをことわざで「羹に懲りて膾を吹く」と言います。
勉強になりましたね。

それでは今回はここまで。
次回は「天網恢恢疎にして漏らさず」を学んでいきましょう。
01:40 |  trackback: 0 | comment: 0 | edit

黒丸 

ネタ |

そろそろお昼に差し掛かろうとする時刻、車の通りが少ない道路を歩いていた。
良く晴れていて、曇りとは無縁の天気だった。雨など降るはずもない。
しかしその時、雨よりも降るはずのないモノが降ってきた。
「ドカキン!」
上から降ってきたのは真黒い鉄球だった。重さ大きさともに、砲丸の球にそっくりだった。
「え、いやっていうか、あと数秒家を出るのが早かったらこれに当たって死んでたぞ俺・・・」
などと冷や汗をかきながら鉄球を見つめたり持ち上げたりしていると、再び
「ドカキン!」
と、鈍い金属音が前方数メートルで響いた。同じような鉄球が再び落ちてきたのだ。
「え、なに、いよいよ殺しにきてるの?」
右手に先ほど殺されかけた鉄球Aを持ちながら、目の前に落ちてきた鉄球Bを左手に乗せる。
持った感じ、鉄球Aも鉄球Bもどうやら同一のものらしい。
(ガリレオが実験でもしてんのか。いやここイタリアじゃねーし)
そんな事を考えていると、鈍い金属音が前方数メートルで響いた。
言うまでも無く、鉄球Cが落ちてきたのだ。

その後も鉄球は落ち続け、僕はその後をたどっていった。
(ヘンゼルとグレーテルみたくパンくずとかだったら優しいのに)
鳥に食べられる心配は無いのが救いだが、さすがに道路に鉄球を放置するのも忍びないので、
全てを歩道脇に寄せながら歩いていた。
その鉄球をたどっていくと、やがて川に到着した。
「ドカキーン!!!」
今までにない金属音を響かせて落ちてきたのは、黒色ではなく金色の鉄球だった。
川べり落ちた金色の鉄球を拾い上げると、それ以降は何も落ちて来なくなった。
どうやら打ち止めらしい。
「いやあのえっと……」
ここまで馬鹿みたいに鉄球を追ってきたが改めて考えると、自分が何をしていて、どうして鉄球が落ちてきているのか皆目見当がつかない。

「分からんわっ!」
僕は重い金の鉄球を振りかぶり、川へと投げ捨てた。
飛距離もでず、はねた水しぶきがズボンの裾にかかってしまったが、気になるほどでもない。
「帰るか」
そう言いながら踵を返した瞬間、背中から何かの気配を感じた。
恐る恐る振り返ると、そこには白装束を纏った黒髪ロングの女性が立っていた。
流石にそれには驚き、びくっと体を一瞬硬直させてしまった。
言葉もでないまま、ただ脅えていた僕に向かってその女性は話しかけてきた。
「貴方が落としたのはこの金の鉄球ですか、それとも銀の鉄球ですか」
まさかのイソップ童話だった。よく見ると、両手にそれぞれ金の鉄球・銀の鉄球を持っている。
そして重いのだろうか、女性もとい女神(仮)の腕が小刻みに震えている。
「えっと、金の方です」
僕は童話にならい、正直に答えた。
「貴方は正直者です。こちらの銀の鉄球も差し上げましょう」
そう言うと女神(疲)も童話にならい二つの鉄球を僕の方へと投げてきた。
反射的に鉄球をかわした僕が顔を上げると、いつのまにか女神(帰)の姿は消えていた。

「いや……正直どちらもいらないんだけど……だから捨てたわけだし」







完全に夢だった。
当り前だ、現実で起こってたまるかこんな事。
空から鉄球が降ってくるなんて。

寝過ぎてしまったのか、そろそろお昼に差し掛かろうとする時刻だった。
カーテンを開けると、外は曇りどころか、雨まで降っていた。
「雨かよ……せっかくでかける予定だったのに」
気分まで曇天になってしまった僕は再びベッドに横になった。
「あれ、待てよ」
ふと疑問に思う事があり、僕はスマホを手に取りブラウザを起動させた。

『検索:天気記号』

「今日は雨だから……あぁ、だから夢で黒い鉄球が降ってきたのか」
これも正夢といえば正夢なのだろうか。
こじつけで理解はしたものの、何だか納得できず腑に落ちなかった。
いやいや、鉄球なんぞ腑に落としてたまるものか。
そうして僕は、もうお昼に差し掛かっているというのに、二度寝を始めたのだった。
22:11 |  trackback: 0 | comment: 0 | edit

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